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アスベストによる病気

~長い潜伏期間を経て発症~

アスベスト(石綿)による病気は、アスベストを吸った後10年から50年という長い潜伏期間を経て発症します。静かな時限爆弾と言われるゆえんです。

アスベストの病気による「労災認定」(労災保険法など)対象疾患は、下記の5つです。
【1】中皮腫
【2】肺がん
【3】石綿肺
【4】びまん性胸膜肥厚
【5】良性石綿胸水

これに対して、事業主、公害被害者、家庭内ばく露被害者などの「救済認定」(石綿健康被害救済法)の対象疾患は下記の4つです。
【1】中皮腫
【2】肺がん
【3】著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺
【4】びまん性胸膜肥厚

名古屋労災職業病研究会には被害原因を問わず、労働現場、公害、家族ばく露など様々なアスベスト健康被害についての相談が寄せられています。

よくある相談例は、「病院や役所で相談しても、よくわからない」、「石綿を扱ったのがあまりに昔のことなので、なにをどう調べていいのか途方にくれている」、「労災申請したけれども、原因がよくわからないため、労災補償が受けられない」、「建設業で働いていて肺がんになったため申請をしようとしたが、医師に『タバコのせいで、石綿とは関係ない』と言われた」、「同じ病気で治療している人の話をきいてみたい」、「仕事でなったのに、労災が適用できないと言われている」、「環境再生保全機構によって、石綿健康被害救済法でとりあえず認定されたが、原因をもっと明確にしたいし、できるなら労災補償を受けたい」などです。

<中皮腫>

「胸膜」や「腹膜」、「心膜」および「精巣鞘膜」などに発症するがんです。発症要因がアスベストとほぼ断定できる病気です。 患者さんは手術、抗がん剤治療、緩和ケアなど進行を遅らせたり、症状を抑えるさまざまな治療方法を選びます。

<肺がん>

タバコが原因と言われることが多いですが、アスベストと喫煙が著しく肺がんを発症するリスクを高めることが分かっています。 アスベストと喫煙の相乗効果による発がんが多いと見るべきです。 国際的に、石綿肺がんの死亡者数は「中皮腫1に対して肺がん2」とされていますが、日本の労災認定状況を見ると、中皮腫の労災認定のほうが多くなっています。 平成20年度から平成24年度の6年間の労災保険法による認定件数を見ると、肺がん2594件、中皮腫3187件となっています。

<石綿肺(アスベスト肺)>

石綿肺は石綿を多く吸入することによって発症するじん肺です。 アスベストが原因で起こる石綿肺と「間質性肺炎」、「肺線維症」は区別がつけにくく、石綿肺ではなくて間質性肺炎ということで労災の病気ではないとされることがあるので注意が必要です。 最初に間質性肺炎と診断されても、「アスベストを吸い込む仕事をしていたし、胸膜プラークがあるので石綿肺」として労災認定される方々もいます。

<良性石綿胸水(石綿胸膜炎)>

アスベスト吸入したことにより胸膜炎が起こり、胸腔に非悪性の水がたまった状態を良性石綿胸水と言います。

<びまん性胸膜肥厚>

アスベストを吸入したことにより起きた胸膜炎の後に、肺側と胸壁側の胸膜が癒着して肥厚した状態をびまん性胸膜肥厚と言います。癒着が広い範囲で起こるため、呼吸困難を引き起こします。

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